「ふるさと活性化」「高校の魅力化」「箱もの行政からの離脱」などを考える上での「ヒント」になる可能性がありますので、以下のような記事の抜粋を掲載します。
仕事を生み出す世界最大のプラットフォーム!
2017年8月9日、朝日新聞11ページ
「自分たちがなりたかった自分になる」ために!
ニューヨークタイムズのトーマス・フリードマン氏の記事から抜粋。
10年前、米国カリフォルニア州に、二つの「プラットフォーム(情報配信基盤)」企業が突如出現した。
その一つは「ウーバー」。
携帯電話の簡単な操作でタクシーを呼び、運転手に指示し、運賃を支払い、運転手を評価できるプラットフォームである。このサービスは急成長し、あらゆる人々が空き時間にタクシー運転手になった。ただ、ウーバーが明らかにした最終目標は、「自動運転車」だった。
もう一つはAirbnb(エアビーアンドビー)だ。
世界中のに都が全く見知らぬ人に空いた寝室をいつでも貸し出せる、非常に効率的な信頼できるプラットフォームを作った。Airbnbは急成長を続け、今では毎年、ヒルトン系列のホテル全体に匹敵する部屋数を増やしている。
だが、ウーバーが自動運転を目指すように、Airbnbも別な目標を持っている。それは「自ら動く人間」と私が呼ぶ人々を生み出すことだ。
だから、Airbnbが5年後、世界最大規模の家の賃貸サービスであり続けるだけでなく、仕事を生み出す世界最大のプラットフォームの一つになっていても驚きはない。
Airbnbは信頼のプラットフォームの拡大を粛々と進め、空き部屋の貸し出しだけの活動を超え、人々の情熱を職業につなげ、より多くの「自ら動く人間」を力づけることを可能にしているのだ。
創業者の一人でCEO(最高経営責任者)のブライアン・チェスキー氏は、
何がそだっているかを見るには、Airbnbのウェブサイトの「宿泊先」ではなく「体験」をクリックしてほしい。自分の情熱から利益を生み出し、内に秘めていた職人技を第二の仕事に繋げようとしている無数の人々が見つかるだろう。
チェスキー氏は、
「人生における最大の資産は家ではなく、それぞれに人が持つ時間と可能性であり、私たちはそれを引き出すことができる」と説明。
そして自分が引退するときに「Airbnbが世界に1億人の起業家を生み出したと言いたい」と語った。
だが、米国内の雇用をめぐる今日の議論には、過剰な恐怖と想像力の欠如が目立つ。それは「私たちが無くなっていくものばかりに目を向けているからだ」とチェスキー氏は言った。
「これからやってくるものに注目する必要がある」
実 際、この時代の素晴らしい点は、2万5千人を雇用する自動車工場を持つフォード社が町にやってくるのを待つ必要はないということだ。そうした工場は今では2500台のロボットと千人の人間からなる。
未来は、地域ならではの特性や熟練した職人、人間の才能を活用することを学ぶ地域社会にかかっている。
Airbnbの体験のプラットフォームは今、訪問客が地元の人のように暮らし、その過程で地域社会を豊にし、新たな雇用を生み出すことを可能にしている。
チェスキー氏は、こう結論づける。
これまでの企業がしてきたことの大半は、「自分たちが欲しいものを作るために天然資源を引き出して使うこと」だった。
今日の新しいプラットフォームは、「自分たちがなりたかった自分になる」ために、「人間の潜在的な可能性」を引き出しているのだ。